寝てもスッキリしない

患者さんとお話をしていると、最近寝てもスッキリしないという話をされることが多々あります。

健康的に活動するには、日ごろの運動と食事、そして適度な休息といったバランスをとることが大切です。

寝るという行動は、体を整えるだけでなく、脳を休めることも行われます。

体を整えるというのは、日中の行動で疲れた筋肉を緩めたり、細胞の修復をしたりすることです。

そして、脳を休めるというのは、日中にインプットした情報を整理したり、いらないものを取り除いたりすることです。

寝てもスッキリしないという方は、体が整えられていても、脳が休めていないということがあるかもしれません。

現代では体を使った疲れより、テレビやパソコン・スマホなどで情報をたくさん取り込むことで、脳が疲れやすくなっています。

睡眠時間が短いと、体の疲労は回復できても、脳の疲労回復ができていないということが考えられます。

おそらく多くの方は、睡眠時間がどれくらい必要だから、睡眠時間を確保して活動時間を決めるというより、最後に余った時間が睡眠になってるのではないでしょうか。

どれくらいの睡眠時間を取ればよいのかは、個人差が大きいものです。

10時間必要というロングスリーパーの方もおられます。

必要な睡眠時間を確保できなければ、脳の疲労はなかなか回復させることが難しくなります。

そして、飲酒をすると眠りは浅くなるため、脳も体も十分休めなくなります。

また、仕事や運動をした直後に寝ようとしても、なかなか眠れないものです。

というのも、自律神経の交感神経が活発になっているからです。

さらに、寝る前の食事が脂肪分が多すぎると、消化に時間がかかるため、体をしっかり休めることができなくなります。

入浴も寝る1~2時間前くらいに、熱すぎない40度くらいの湯船に浸かることが最適です。

夜になって寝たいのに、なかなか眠れないという方は、「漸進的筋弛緩法」をお試しください。

漸進的筋弛緩法というのは、アメリカの医師、エドモンド・ジェイコブソンによって開発されたメソッドです。

漸進性筋弛緩法は、意識的に筋肉に力を入れて、そのあと ゆるめることを 繰り返すことで、リラックスしていく方法です。

今回は肩あたりのメソッドをご紹介します。

まず、両腕を伸ばし、こぶしを握り、肩をすくめます。

この時、手や肩に6~7割くらいの力をギューッと入れ、5秒ほどキープします。

そして、すとんと一気に力を抜き、脱力した状態で10秒ほどキープします。

これを2、3回繰り返します。

コツは力を入れている時・抜いた時に、力を入れた部分の感覚をじっくり味わうことです。

特に、力を抜いた時のジワーっと筋肉が緩んで、血が巡る感覚をじっくり感じてみてください。

また、寝てもスッキリしないという方は、鍼灸もお試しください。

寝てもスッキリされないと言っていた患者さんが、鍼灸を受けた日はよく眠れると言っておられます。

鍼灸は痛みを取るだけでなく、疲労回復や睡眠の質を高めるお手伝いもできる施術ですよ。