40代以降検査をしても異常が見つからない体の不調は、更年期の症状と考えることができます。
肩こり、ほてり、冷え、腰痛、イライラ、気分の落ち込み、倦怠感などなど。
症状は一つだけでなく、重なって起こることも珍しくありません。
更年期というのは、卵巣の機能低下によって、女性ホルモンが減少する期間であって、誰もが経験する時期です。
40代から始まって、閉経の前後10年ほどを示しています。
また、この時期は年代的にストレスを受けやすいこともあり、症状を悪化させやすくなります。
東洋医学では、気血水(きけつすい)を整えることが、症状を改善すると考えられています。
「気」とは生命のエネルギー、「血」とは血液や栄養、「水」はリンパや血液以外の体液を表しています。
これらがうまく循環できなければ、不調が起こると考えているのです。
気が逆流する「気逆(きぎゃく)」というのは、のぼせや発汗を招きます。
血の流れが悪くなると「瘀血(おけつ)」といい、肩こりや便秘などが起こります。
水が滞る「水毒(すいどく)」は、むくみやめまいなんかが現れます。
ここでお伝えしたのはほんの一例で、まだまだいろいろな症状があります。
この気血水はそろぞれが影響しあっているので、どれかが滞ったり不足したりすると、バランスを崩してしまい、不調を招いてしまいます。
そんな時は、漢方を生活に取り入れてみるといいかもしれません。
今は、漢方も手軽に購入することができるようになりました。
たくさんありるので、代表的なものだけご紹介します。
加味逍遥散(かみしょうさん)
気血水をバランスよくしてくれ、イライラや不安、不眠など精神的な症状を和らげてくれます。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
水毒や瘀血などによる頭痛やめまい、冷えを緩和させてくれます。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
瘀血による肩こりやのぼせなどを改善してくれます。
漢方は即効性があるものではないので、気長に服用することが大切です。
また、複数を同時に服用するのではなく、薬剤師さんに相談してください。
そして、更年期の症状緩和には鍼灸もおすすめします。
お一人お一人のお体の状態を診て、症状とお体に合ったツボに、鍼やお灸を行います。
鍼灸施術を行うことで、体のバランスを整え、症状を緩和させながら体質を改善させていきます。
ホルモン補充療法や漢方、そして鍼灸をうまく活用して、更年期を快適に乗り切りませんか?